米国では1990年代末から2000年代前半にかけ、長く続いた好景気を背景に国内での再編・増強を進め、更に欧州や中国へ進出してきたが、2001年のITバブル崩壊、同時多発テロに伴う世界的な景気後退での、国内需要の頭打ち・縮小に対応して新たな再編が始まり、リーマンショックの追い打ちで加速している。ヨーロッパ同様この5年間で、老舗の有力グループが相次いで投資会社の傘下に入っている。
中国に次ぐ世界2位の生産能力を持ち、余力が十分有りながらも、伸銅品で純輸入国を続けヨーロッパ、中国、韓国など外資系の多くの進出を許容している事情を探った。
またNAFTA(北米自由貿易協定)加盟のカナダ、メキシコ及び経済成長の著しいブラジルを含めた中南米の伸銅品業界についての現状を併せて報告する。
ブラジルでは伸銅品メーカーが少なく有力2社の寡占状況にあり、銅管を中心とする需要の伸びに対応出来ず輸入拡大し、中国品が食い込んでいる。
まだ、需要の少ない板条を含め、今後も拡大の余地が見える。
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