世界の金属消費は、50年間でアルミが約9.5倍で一番高く、粗鋼、銅、亜鉛がほぼ同じの約4倍、鉛が3倍となっており、今後も確実に増加する。かたや、日本の金属消費量は粗鋼、銅、亜鉛、鉛が1991年に、アルミが2006年にピークが過ぎている。
金属素材産業(製鉄業、アルミ精錬業と圧延業、銅・亜鉛・鉛製錬精製業、電線・ケーブル製造業、伸銅品製造業)の過去50年の調査分析の結果、従業員が減少するなか生産額、付加価値額ともに極めて高い1人当り生産性を達成した。1960-70年代の高度成長の時代は、国内生産が優先し、輸入と輸出は補完的な役割を担っていた。しかし、2度の石油危機、為替変動による円高、その後の新興国の台頭により、日本の製造業、とりわけ金属素材産業は厳しい国際競争に晒され、生産、輸出、輸入すべての面で、主導権を発揮出来なくなった。また、国際競争力強化のため大手企業間の合併や業務提携などの産業再編が進められてきた。
最後に、2030年の世界の金属需要予測の試算を行ったが、過去50年のような伸びは期待できないが、世界人口が増えることから、金属需要は増加することは確実である。
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