韓国では、生産/需要量とも頭打ちながらウォン安を背景に、伸銅品輸出の維持と好調な工業産品輸出用などの内需に支えられ、減少を踏み止めている。台湾では、50%近い高い輸出比率でありながら生産/需要量とも2004年をピークに減少中である。この両国の一人当たりの伸銅品需要量は日本より多い。
一方インド、アセアンでは、生産/需要量とも成長を続け、輸入依存量も増えており、一人当たりの伸銅品需要量は低い。特に、インドは日本など先進国の1割と少ない。
中国の生産・需要量は2011年当たりから陰りを見せており、一人当たりの伸銅品需要量は米国より多く先進諸国に肩を並べている。最近まで中国では増産や新設が多く、これによる過剰能力の矛先に注目する必要がある。アジアの業界には今まで以上に影響が及ぶことになる。アジア近隣国への中国品の輸出は既に実績のある管から板・条、棒・形材へと拡大しつつある。日本を含め各国では、輸出の減少に加え、輸入量の増加に注目が必要となる。
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