日本および海外の非鉄・鉄鋼産業の主な再編事例の検証を踏まえ、特に日本を中心とした今後の再編の在り方を展望した。検証の対象業種は国内の非鉄が鉱山・製錬、電線、伸銅、アルミ、鉄鋼が高炉、ステンレス、電炉の7つとした。また、海外では銅、亜鉛・鉛、電線、伸銅、アルミのほか、アメリカと中国における鉄鋼の主要な再編事例を検証した。
検証の過程において日本の場合、鉄鋼が高炉本体同士の統合形態となったのに対して非鉄は事業別の再編に止まる事例がほとんどであった。また、海外では会社そのものが消滅するドラスティックなM&Aが繰り広げられた。
再編の展望では非鉄は4業種ともに事業別あるいは需要分野別の再編を進展させていくものと考えられている。また、鉄鋼の場合、高炉が国内2強体制を維持する見通しの中、海外との事業提携をさらに進展させ、ステンレスは十分な国際競争力を有する再編あるいは統合の余地を残している。電炉はJFEスチール系の4社が統合されたが、新日鐵住金系を中心に、オーナー系、商社系他の再編・統合が模索されている。これらの再編の可能性を考察した。
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