近年、海外銅鉱山Projectへの参入が活発になる中で、銅鉱山の開発費と操業費は上昇の一途を辿っている。そのCost上昇要因を出来るだけ多角的な分析を試みる。その一環として銅鉱山の他、主要鉱物である鉄鉱石と石炭を含めて市場推移を分析する。銅精鉱と共に鉄鉱石、石炭を取り上げたのは、鉱業において、労働者及び鉱山機械で重複があり、Cost上昇の要因がそこに考えられるためである。
年代別では、1990年代、2000年代と2010年代をそれぞれ比較する。また、銅鉱山の独自の問題として、深部化と粗鉱品位の低下が挙げられる。地域別では、3鉱物の主要生産国であるオーストラリア、チリ、ペルーで、為替、人件費、電力代金の変遷を分析する。事例分析としてはCodelco、AMSAの2社、ProjectとしてはCaserones及びSierra Gordaの2 Projectの変遷を追う。
その他、Cost上昇の要因として、原材料である原油や鋼材、鉱山重機の変遷、地域別の問題ではチリの水資源問題、ペルーの社会争議の状況も分析を試みる。
なお、今回の主要Cost分析では、SNL社のRaw Materials Data及びMinecost Moduleを使用する。
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