2014年の世界の絶縁電線消費量は215,833百万US$(22兆8,800億円)で、消費量が多い順に中国(世界の36%)、アメリカ(9%)、日本(6%)、インド(4%)の順になっている。電線の品種別の消費量では、1kV以下低圧ケーブル(全体の42%)、3kV以上電力ケーブル(18%)、巻線(11%)、信号・制御ケーブル(9%)、同軸ケーブル(8%)、メタル通信ケーブル(6%)、光ファイバケーブル(6%)の順になっている。
2005年から2014年の世界の絶縁電線消費量の推移を見ると、世界のGDP成長率に近い年平均約3 %で増加している。この間はロシア(2倍)、ブラジル(1.6倍)、トルコ(1.5倍)の伸びがあったものの、やはり中国の消費拡大によるところが大きい。中国を除く世界の消費量はほぼ横ばいの推移となっており、多くの先進国は需要が減少傾向にある。その理由としては、電線は消耗品ではなく、その製品寿命が約20〜30年と非常に長い耐久品であることで、新品への取り換え需要が少ないことが挙げられる。
今後の世界の絶縁電線需要を予測すると、最大市場の中国や先進国の需要減少が懸念される。とくに中国については、国内に約7,000社にもおよぶ大小電線メーカーが乱立しており、供給過剰状態に陥っているとともに、2015年以降の中国経済の減速もあって、今後の電線需要はこれまでのような大きな伸びは期待できない状況にある。一方、経済発展が期待される新興国のインド、インドネシア、メキシコ、ブラジル、ロシア、トルコの6ヶ国では電線需要が拡大すると見通される。
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