中国が目覚ましい経済成長を遂げるにつれ、中国の亜鉛業界も2000年代に急速な成長を遂げ今や中国の亜鉛業界を無視して世界の亜鉛業界を語れないというほどの存在となったが、その実態はあまり明らかにされていない。中国の増え続ける亜鉛需要に対応するために、亜鉛製錬所の新増設の新規プロジェクトが、現在数多く存在している。一方では、エネルギー浪費型・高汚染型の、旧来の中小設備は淘汰されてきている。公害や汚染問題に関しては、時代遅れの技術設備を淘汰して“省エネ環境友好型産業”を目指している。
中国の亜鉛製錬戦略が目指す方向が世界の製錬業に大きく影響してくるのは明らかであり、中国の亜鉛製錬業の現状を把握することは、世界の亜鉛製錬業、特に日本の亜鉛製錬業の今後の戦略を考える上で非常に重要となる。
本報告では中国の亜鉛製錬業の現状を整理、分析すると共に、中国の亜鉛製錬業が抱える問題点を明らかにし、中国の亜鉛製錬業の今後の動向を予測した。
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