近年、廃電気電子機器や廃家電製品が増加し続け、これらから発生するE-scrapを環境に配慮しながら効率的に再資源化することが、循環型社会を形成していく上で重要な課題に位置付けられている。この中で、非鉄金属産業は製錬、リサイクル、有用金属回収など環境技術の先進性を活用したE-scrapのリサイクルに積極的に取り組んでいる。
本調査は、E-scrap輸入手続きが煩雑でしかも長期間を有するためEUに買い負けしていた課題を改正バーゼル法によって簡素化され、EUと同等の国際競争力を担保された法制度の整備などを背景に、国連大学報告書による「都市鉱山」の概数的把握、日本鉱業協会、非鉄鉱山・製錬、貴金属精錬によるE-scrapリサイクルの取り組みのほか、廃電子基板類専門業者を調査した。また、有識者へのインタビューを実施した。
これらを踏まえ、「都市鉱山」に賦存する非鉄二次資源としてのE-scrapのリサイクルに関する考察、課題の抽出、提言などを試みた。
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