今や銅精鉱中の不純物品位は、既存鉱体の深部化やクリーンな新規鉱床の減少に伴い上昇傾向にある。日本がこれまで大型共同投融資買鉱によって確保してきた原料も現在ではクリーン鉱とは言えない品位になってきている。現在生産されている銅精鉱中の砒素量は15万トンあり、このうちカスタムコンクとして取り引きされている砒素量は5万トンある。この砒素量は今後も増加する見通しであり、早急に根本的な技術対応をしておく必要がある。そこで原料マーケットの変遷を顧みながら、増加する砒素の分離除去のプロセスを比較し、どのプロセスが最適であるか、その固定化・不溶化とその貯蔵そして日本の国際競争力を高める仕組み作りはどうあるべきかを提案するものである。 |