尖閣諸島沖中国漁船衝突事件は、日中間の政治的な軋轢だけではなく、レアアースの産業上の重要度を周知させ、Critical Metalsの実像を明確にした。米国、欧州、日本では、重要鉱物のCriticalityを評価しているが、その評価結果は、産業構造の差、時間の差、手法の差、評価者の差により変動する。さらに、サプライチェーン上の各プレイヤーに対するCritialityは異なり、競合位置の各プレーヤーに対するCriticalityも異なる。
つまり、Criticalityは鉱種に固有ではなく、各プレーヤーに固有のCriticalityが存在する。Criticality評価の目的は、リスク顕在化防止にあり、リスク顕在化の可能性が高い鉱種を扱う産業分野こそが、リスク顕在化回避の目的で防衛策を実施する。
本報告書では、上述の状況に鑑み、Crtiticalityの本質に迫るとともに、Criticalityの評価に基づき、リスクの顕在化回避を目的として、資源を投資する組織(プレーヤー)の在り方に言及する。
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