非鉄金属は、素材としてのリサイクル率や地金のリサイクル率から示される通りリサイクルの優等生であり、非鉄金属のリサイクルを通して非鉄製錬業界は持続的な循環型社会を形成するために多くの貢献を行っている。特に、貴金属やレアメタルの多くを銅および鉛をコレクターとするシステムで生産しており、リサイクルを行う上で非鉄製錬所は不可欠の存在であること、また、製錬コンビナートを形成することで目的金属だけでなく副産メタルの回収率を上げていることも明らかにした。
銅製錬においては、銅精鉱のCu品位の低下や買鉱条件の悪化に対応するためリサイクル原料処理を増やす方向にシフトしているが、調達先や原料受入れの課題も大きい。また、国内で回収されずに輸出される原料や未回収となって廃棄されている非鉄金属量を明らかにすることで、さらなる持続的社会の形成のための非鉄製錬の課題を報告する。
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