銅産業を取り巻く最近の事業環境変化として、世界的な環境規制の強化の動きがある。昨年の中国の銅スクラップ輸入の禁止措置は、そうした動きの中でもとくに日本の非鉄産業に対して大きな影響を及ぼしている。中国政府は環境対策の観点から引き続きスクラップ輸入の規制強化に動いており、その動きから目が離せない。また、こうした中国の環境対策だけでなく、チリ等の資源国においても製錬所の有害物質の排出規制の強化や鉱山における環境規制の強化等の動きが出てきている。
中国では低品位銅スクラップ処理に伴う環境問題を防止するため、低品位銅スクラップの輸入を禁止した。一方では、銅原料確保のため、低品位銅スクラップの海外での前処理、国内銅製錬所での銅スクラップの増処理を推進している。
中国をはじめとする世界の状況の把握は、日本の非鉄製錬業にとり銅の原料確保や市場動向の観点から重要であるため、世界の環境規制の銅産業へ及ぼす影響に関する調査を行った。
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