CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)は、自動車産業に100年に一度と言われる大変革期をもたらしている。これは自動車産業に非鉄金属素材・製品を供給している銅加工産業にとっても大きな変革期となることを意味している。例えば、自動車1台あたりの銅の使用量は、とくにCASEのうちの電動化に必要となるリチウムイオン電池や駆動用モーター等への使用増で、2018年の26kgから83kgへと増大することが見込まれる。自動車分野における銅の消費量は、現状では銅全体の消費量の1割弱とそれほど大きくはないが、今後のCASEの進展によって、銅加工品の需要の拡大が期待される。本報では、こうしたCASEと銅の実需との結びつきを考察し、CASEがもたらす自動車1台あたりの銅使用量の増減、世界の銅加工品の全体消費量に与える影響を予測する。 |