| 日本では、発電所で発電した電力を消費地まで送電する過程で約5%が「電力損失」として失われている。この電力損失を低減する送電方式が「高圧直流送電システム」（HVDC）であり、HVDCシステムに使用されるのがHVDCケーブルという特殊な電力ケーブルである。
HVDCケーブルは、電力の最終ユーザーである人々が目にしたり、手で触れたりすることがない製品ではあるが、新興国や発展途上国等の経済発展の原動力になる電力を必要としている所へ届けるのに不可欠な構成部材であり、HVDCケーブルという製品自体が2030年までに人類が解決を目指している「�Д┘優襯�ーをみんなに、そしてグリーンに」、「��働きがいも、経済成長も」、「��住み続けられるまちづくりを」などといったSDGs達成の「道具」そのものであると言える。
世界各国が「GHG排出ゼロ」を目指す中で、洋上風力発電の導入が急速に進んでいるが、陸から遠く離れた立地の発電所からの送電では、電力損失が少ないが故にGHG排出量低減及び電力コスト低減を実現する「HVDC海底ケーブル」が使用されている。
本書では、世界が注目しているHVDCケーブルを様々な視点から分り易く紹介した。
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