世界的に環境や社会を重視するSDGs(Sustainable Development Goals; 持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みの重要性が一層高まっており、非鉄金属産業を取り巻く環境は激変している。このSDGs・ESGにかかる取組みの一つに「責任ある調達」と称される紛争鉱物問題の解決に向けた取り組みがある。武装勢力への資金源になっているとされるこの問題は、鉱物資源の原料の出所やそのサプライチェーンを明らかにする取り組みで、世界的に注目度が増している。
近年、鉱業活動における「責任ある調達」の対象鉱物種や対象地域が拡大する傾向にあり、更に、評価基準に、児童労働、人権問題も組み込まれるようになってきている。
このような状況を踏まえ、責任ある鉱物調達に関するイニチアチブ・フレームワークの概要を調査すると共に、非鉄金属界の取り組み状況、最近のサプライチェーンと人権問題に関する話題について述べ、更には責任ある調達に関する提言などを行った。
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