近年、ビジネスの投資対象としてのインドが注目を浴びている。背景には、中国における人件費の高騰、よりグローバルな企業戦略、巨大なインドマーケットに対する期待等が上げられているが、インドの全体像を把握するのは容易なことではない。様々な角度から光を当てインドの実像を浮かび上がらせたいものである。
まずビジネスの対象としてのインドの魅力について、その市場環境、海外からの投資、ミクロ経済的視点に分けて可能な限り定量的、客観的に評価する。
次に、インドが抱える課題について電力不足、行政、人材確保に絞ってその要因にも触れつつ、具体事例を可能な限り盛り込み概説する。
さらに、日系企業とインドの係わり合いについてまず、これまでの日印関係の流れについて記述した上で、貿易投資関係の統計を紹介し、最後に前述のインドとの関係構築に当たって隘路となっている電力、人材、行政に関し、日系進出企業のケースについて、現地調査で得た情報、国内でのヒアリング結果を交え実態を概観している。
最後にインドの将来を見通すため、IT産業の将来性、インドのビジョン、日本との関係の3点について識者の見方等も参考にしながら報告する。
本レポートは、わが国とインドとの経済関係も関し投資対象としてのインド、輸出市場としてのインドについて参考情報を中心にまとめたものであるが、インドの非鉄金属需要等の見通し等については、鉱種毎に銅、鉛、亜鉛、レアアースについて別レポートを作成している。 |