銅とアルミニウム(以下アルミ)は非鉄金属の雄であり、産業の基礎資源として、供給の確保と価格の安定が不可欠である。銅とアルミは高い電気伝導度と熱伝導度、強い耐食性、優れた加工性などの優れた共通の金属特性を持ち、需要分野で競合しながらそれぞれの市場を確保してきた。
1988年と2008年の変化を見ることを主眼に、銅とアルミの資源、生産、貿易、価格、需要、開発等について比較分析を行った。
1980年代末東側世界が市場経済化し、21世紀に入り中国をはじめ新興国の資源需要が世界市場を席巻した。総勢約30億人の人口を抱える新興国の一人当たりの金属消費量がほんの僅か伸びるだけでも相当な世界需要増となり、それに見合った鉱量、鉱山・製錬能力が伴うのか大きな課題を抱えている。
資源・エネルギー制約に対応した環境重視の低炭素社会の構築に向けて、銅とアルミの重要性は一層高まっている。
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