今年度の「クリティカルメタル」では、EUから初めて報告された「Critical raw materials for the EU」(2010年6月)と、2007年の「Minerals, Critical Minerals, and the U.S. Economy」に続いてアメリカエネルギー省がエネルギー分野に特化して報告した「Critical Materials Strategy」(2010年12月)を先ず紹介し、海外のクリテイカルメタルに対する考え方やその対処方法について報告した。
2010年7月の突然のレアアース輸出枠削減や尖閣諸島事件後の日本への輸出手続き一時停止で、中国リスクが顕在化した。レアアース以外にも、世界的に中国依存が高まっている金属も多くそのリスクについても報告する。また供給リスクを、HHI(Herfindahl-Hirschman Index)やWGI(Worldwide Governance Indicator)を用いて検証したほか、中期、短期の価格動向からの検討も付け加えた。それらの評価結果からは、レアアース(特にDy, Tb, Y)、Mg、Si、Sb、Sn、Wなどがクリティカルメタルと判断された。
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