1.第70回電設工業展〜JECA FAIR 2022  
                (諏訪政市主任研究員報告)
主催者:一般社団法人 日本電設工業協会 
会 期:2022年6月1日(水)〜3日(金)  
会 場:東京ビッグサイト 東1、2、3ホール  
出展社:電設業者、電機メーカー、電線メーカー等 202社  
来場者数:総計69,901人 
                 第1回電設工業展は1957年5月に「優良電設資材展」として東京のホテル国際観光で開催された。1日間の会期で出展社数12、小間数11という小規模なものであったという。電設工業展は電気設備に関する資機材、工具、計測器、ソフトウェア、システム等の新製品の紹介をはじめ施工技術、施工実績や電気設備業界の魅力、働き方を広く紹介するものであり、第68回、第69回(共に大阪開催)と、Covid-19により中止となり、今回は3年振りの開催となった。 
 主な出展社は以下のとおりで、殆どが常連である。(あいうえお順) 
〇電設(電気工事業者): 
 関電工、九電工、きんでん、トーエネック、ユアテック、四電工 
〇電線・ケーブル: 
古河電気工業、SFCC(昭和電線と古河電工の合弁会社)、住友電気工業グループ(住電HSTケーブル、住電機器システム、大電)、フジクラグループ(フジクラダイヤケーブル、西日本電線)、タツタ電線(中国電線工業の製品も展示) 
〇バスダクト: 
 共同カイテック 
〇電線商社: 
因幡電機産業、海光電業 
                 今回は、温室効果ガスの排出量をゼロにするといった世界的な「脱炭素化」の流れの中で、テーマは「脱炭素へのチャレンジ〜電設技術が未来(地球)を守る」であり、再エネ発電関連の展示も多かった。 
                  電設(建設・電線販売)市場向け電線・ケーブルは成熟製品であり、汎用品であるが、ここ10年でメーカー各社は施工しやすい仕様ということで、実際に工事をする人の立場に立った改善に取り組んできた。例えば、ケーブルが、延線時に滑りやすくシースが傷つきにくいとか、曲げやすいとかが、それに該当する。今回も、配電盤内で太いケーブルを配線する場合に作業をしやすくする狭所配線ケーブルが出展されていた。また、軽いケーブルということではアルミニウム導体の建設用電力ケーブル(600V Al-CV又はAl-CVT)があるが、3年前、4年前の同展示会で、古河電工、住友電工、フジクラ、矢崎エナジーシステム等がケーブルサンプルを並べて一斉に拡販PRをしていたが、今回は、古河電工、SFCC以外はあまり積極的にPRをしているようには見えなかった。 
                   共同カイテックは建設用バスダクトのトップメーカーである。バスダクトはビルや工場の高圧縦幹線に使用され、低圧CVTと競合する製品である。電線・ケーブルとは違い、バスダクト導体の銅からアルミニウムへの代替は急速に進んでいる。 
                (注)CV-T:トリプレックス型の架橋ポリエチレン絶縁、ビニルシース配電用ケーブル 
                  (注)バスダクト:銅やアルミニウムの帯状導体を絶縁物で被覆するか、絶縁物で支持し、鉄あるいはアルミニウム板で製作された箱状のケースに納めた電力幹線システム  |